第一話:父親猫が残したデコレーション 第四章
第四章
姫猫ドラ:アイリンは小さな頃から好奇心旺盛で行動力に溢れていた。
困難に直面しても諦めない強い意志を持っており、姉としての責任感も強かった。
デコトラ「アイリン丸」を運転する彼女は、鮮魚部でその腕前を発揮し、どんな仕事もこなしていた。
姫猫ドラ:ユカリンはアイリンとは対照的に、冷静で計画的な性格だった。
ユカリンは一級整備士の資格を持ち、どんなトラックでも完璧に整備することができた。
結婚してからも、その腕前を活かしてマメ吉急送運輸資材部で働いている。
ユカリンの夫は、事故の後遺症で働けなくなってしまったが、彼の代わりにユカリンが働くことで家族を支えていた。
彼女は定期便運行で仙台から千葉までの長距離を走る日々を送っていた。
ユカリンの11トンウィング車「ユカ丸」は、元々夫が乗っていた「コハク丸」を彼女仕様に変更したものだ。
ユカリンは夫の思い出を大切にしながら、自分らしいデコレーションでトラックを飾り立てた。
その姿は、アイリン丸にも負けないほど豪華で美しいものだった。
「ユカリン、お疲れ様ニャン。」
アイリンはユカリンが作業を終えた後に声をかけた。
「ありがとう、アイリン姉ちゃん。今日も無事に終わったよ。」
ユカリンは微笑んだ。
二人は工場の外で一緒に座り、少しの間休憩を取ることにした。
姉妹の間には、言葉にしなくても通じ合う深い絆があった。
「ユカリン、旦那猫「コハク」のこと、大変だったね。
でも、あなたが頑張っているのを見ていると、私も励まされるニャン。」
アイリンは真剣な表情で言った。
「うん。私も辛い時期があったけど、姉ちゃんがいつも支えてくれたから乗り越えられたよ。」
「ありがとう、アイリン姉ちゃん。」
ユカリンは感謝の気持ちを込めて答えた。
ユカリンは次の仕事の準備に取り掛かりながら、アイリンと一緒にデコトラのメンテナンスを行った。
姉妹が一緒に働く時間は短いが、その分濃密な時間を過ごしていた。
「さあ、次の仕事に向けて頑張るニャン!」
アイリンは気合を入れ直し、再び仕事に取り掛かった。
「私も負けないように頑張るニャン!」
ユカリンも同じく気合を入れ、ユカ丸に乗り込んだ。
アイリンとユカリン、二人の姫ドラはそれぞれの道で頑張り続ける。
彼女たちの努力と絆は、今後も多くの困難を乗り越える力となるだろう。
次回 第五章 お楽しみに!!