最近ふと疑問に思ったことがある。店の棚には次々と新米が並び、季節の恵みを感じさせる光景が広がっている。しかし、新米だって無限に湧き出るわけではない。
いずれは品薄になり、ひょっとすると米不足が話題に上る日も来るのではないか。そう考えると、つい最近の米騒動が頭をよぎる。また再び起きるのではないかという一抹の不安が拭えない。
令和の米騒動前は、どこのお店にもブレンド米が並んでいた。しかし、今やその姿を見ることはほとんどなくなった。あのブレンド米は一体どこへ行ってしまったのだろう。
ブレンド米は、異なる産地や品種の米を組み合わせたもので、価格が比較的安く、多くの人に親しまれてきた。米の品質や味にこだわらずに、家計に優しい米として重宝されていた記憶がある。
しかし、食文化の向上とともに、人々の米に対する関心も変わり、新米の味や香り、特定のブランド米の個性が重視されるようになった。
特に、地元産や有機栽培米といった「こだわり」の米が注目されるようになり、ブレンド米は少しずつ店頭から姿を消していったのかもしれない。
あるいは、農業技術の向上によって、質の良い米の生産が安定し、需要に応じた供給が確保できるようになったことも、ブレンド米が姿を消した一因かもしれない。
このように時代が変わり、米に対する価値観も変わった現在、もし米不足が発生したら、またかつてのようにブレンド米が復活するのだろうか。
新米の輝きが薄れた後に、私たちはどんな米を口にすることになるのか。以前、不安は消えない。