久しぶりに手に取ったゴルフクラブ。その重みと冷たい感触に、まるで懐かしい友人と再会したような気分になる。
ティーに置いた白い球が、秋の陽光を反射し、じんわりと輝く。背筋を伸ばし、目線を遠くに定め、心の中でカウントダウンをする。
打ち出された瞬間、白球は力強く飛び立ち、風に乗って秋空に大きな弧を描く。その姿を見つめる仲間たちの顔にも、自然と笑みが浮かぶ。
誰が一番遠くに飛ばせるのか、誰が一番正確にピンを狙えるのか。そんな競い合いが、久しぶりの喜びと一体となり、鮮やかな風景として心に焼き付く。
秋風が吹き抜け、木々がさざめく。思わず笑い声が漏れ、互いの肩を叩き合う。なんでもない一瞬の喜びが、なぜか今は特別に感じられる。