第二話 「アイリン 思いがけない出会い!」 第四章
苫小牧を出発したアイリン丸は、道東自動車道を通って根室へ向かっていた。
天気は曇りで、時折小雨が降る中、アイリンは慎重にトラックを運転していた。
「道中の安全第一、ニャン」とアイリンは自分に言い聞かせる。
しかし、高速道路に入ってしばらくすると、前方に渋滞の兆しが見えた。
道路情報を確認すると、どうやら事故が発生しているようだ。
アイリンはスピードを落とし、慎重に進んだ。
「渋滞に巻き込まれるのは辛いけど、焦らず行こう、ニャン。」
渋滞を抜けると、国道44号線に差し掛かった。
道は空いていて、景色も素晴らしい。アイリンは気分を取り直して運転を続けた。
すると、道路の端に一匹の雌猫が立っているのが見えた。
「こんなところでヒッチハイクしてるのか、ニャン?」
アイリンはトラックを停め、その雌猫に声をかけた。
「どうしたの、ニャン?」
「足を捻挫しちゃって…動けなくて困ってるんです。」
雌猫は涙目で答えた。
「それは大変、ニャン。近くの動物病院まで送ってあげるよ。」
アイリンは雌猫をトラックに乗せ、近くの動物病院まで送った。
病院で治療を受けた雌猫は、アイリンに感謝の言葉を述べた。
「本当にありがとう。あなたのおかげで助かったわ。」
「気にしないで、ニャン。健康が一番だから。」
その後、アイリンは再び根室へと向かい、予定時間ぎりぎりでやっちゃ場に到着。
荷下ろしを終えて事務所に入って事務手続きして
次の札幌行の荷積みの準備を進めていた。
しかし、ここで予想外の事態が待ち受けていた。
花咲ガニの不漁で、船が戻って来ない為、荷揚げが遅れていたのだ。
「仕方ない、観光でもして待つか、ニャン。」
アイリンは根室の街を歩きながら観光を楽しんだ。
地元の市場や名所を巡り、美味しい海産物を堪能した。
そんな中、スマホに連絡が入った。
「荷積みの準備が整ったようだ、ニャン。」
急いでタクシーでやっちゃ場に戻り、アイリンは素早く荷積みを終えた。
そして、次の目的地である札幌へと向かうため、再びアイリン丸を走らせた。
次回 第三話 :「道東の旅」 第一章 お楽しみに!!