立冬の知らせとともに、気温はあっという間に一桁台まで下がった。つい先日までの秋のぬくもりが嘘のように消え去り、冷たい風が身を刺す。
ネットニュースには「東京で木枯し一号」「富士山は初冠雪」との見出しが並び、冬の訪れが全国に告げられているようだ。
この冷え込みとともに、町の空気にも何か厳しさが漂い始める。人々は少しずつ厚手のコートに身を包み、肩をすぼめて通りを行き交う。
その姿は、まるでこれから迎える寒さに備えるかのように見える。
空はどんよりと曇り、冷たい風が街角を抜けるたびに、立ち止まりたくなるような寒さが肌に触れる。
遠く富士山の白い頂きを思い描きながら、ここにも冬がやってきたことを実感する。11月から師走へと向かう中で、街並みも少しずつ、冬の色に染まり始めるようだ。