暁の空来

時間が許す限り楽しい事が書ければそれで良いかと?

嵐の前の静けさに

台風5号が勢いを増し、北上を始めた。天気予報でその進路を確認し、墓掃除の時期を早めることを決意した。嵐が訪れる前に、静かな時間を使って先祖を敬うために。墓地へと続く道はまだ穏やかで、時折吹く風が夏の暑さを和らげる。掃除道具を手に持ち、急ぎ足で墓地に向かう。頭の中では、台風の接近が繰り返し思い出されるが、それでも心は不思議と落ち着いている。墓石にたまった埃を払い、雑草を抜き取る。早めに訪れたこの瞬間は、まるで嵐の前の静けさのようだ。手を合わせ、静かに先祖に感謝を伝える。風が強まり、遠くに黒い雲が見える。急いで墓を整え、台風に備える。自然の力には逆らえないが、それでも心の中では、先祖を尊ぶ気持ちがより一層強くなる。台風が過ぎ去った後も、この感謝の気持ちは変わらずに続くだろう。嵐の前の静けさに、私たちは先祖への感謝を込めて手を合わせる。その心を胸に、次に何が来ても揺るがない強さを持ち続けて行こうと思っている。